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石 梨麗先生|ルアナファミリー歯科・矯正歯科の副院長

石 梨麗先生のプロフィール
石先生

【経歴・所属学会】
松本歯科大学卒業後、福岡県にて臨床研修終了
湘南美容歯科 心斎橋院、名古屋院で勤務
ルアナファミリー歯科・矯正歯科 副院長就任

日本小児歯科学会
日本歯科審美学会
Invisalign 認定医
歯科食育アドバイザー
赤ちゃん歯科ネットワーク

ホワイトニングを受けるクリニックのおすすめの選び方は?どう選ぶと失敗が少ない?

石先生
石先生

クリニックを選ぶ際は時間や費用、行われる処置の理由を明確に説明してくれるかどうかを確認することが重要です。

また、患者からの質問に対して適切な回答ができるかどうかも確認しましょう。もしできない場合、クリニック側で知識が不足している可能性があります。

例えば、ホワイトニングがメニューにリストされているにも関わらず、実際には施術に熟練していない場合もあります。

そのため、親切で丁寧に説明を行い、患者の疑問を解消してくれるクリニックを探すことをおすすめします。

「ホワイトニングはしない方がいい」と言われることもあるが、それはなぜ?

石先生
石先生

ホワイトニングの効果は、個人の生活習慣に大いに影響を受けます。

多量の色素を含む飲食物を摂取したり、喫煙の習慣がある方々がホワイトニングの白さを維持するのが難しく、また色が元に戻るまでの期間が短くなる傾向にあるからです。

ホワイトニング施術後は着色を防ぐための対策や、定期的なケアを無理なく行うことを推奨します。

また、ホワイトニング施術を行った後に、歯が敏感になるという現象もあります。施術によって歯が乾燥し、漂白成分が象牙質の細管内に侵入するため、外部の刺激に対して一時的に敏感になるためです。

乾燥状態は24時間で約90%、2~3日で95%、1~2週間で100%回復するとされます。その間、ただ呼吸をするだけで痛みを感じるかもしれません。また、冷たいもの・熱いものを口にしたときに、刺激を感じることもあり得ます。

症状自体は時間と共に薄れていくため、ご心配は不要です。

マウスピース矯正を受けるクリニックのおすすめの選び方は?どう選ぶと失敗が少ない?

石先生
石先生

まず診療時間を確認して、通いやすいかどうかを確認してみてください。

次に、料金も重要な観点のひとつです。マウスピース矯正を行う場合、基本料金以外にも定期診察費や抜歯、研磨処置費などが発生することがあります。

ただし、基本料金が低いことだけで選んでしまうと、結果として後悔する可能性もあるので注意してください。

さらに、矯正方法についても注意が必要です。マウスピース矯正を希望してクリニックを訪れても、他の矯正方法(例えばワイヤー矯正)が提案されることもあります。

マウスピース矯正ではなく、ワイヤー矯正を選択することに問題はありませんし、歯の状態によってはワイヤー矯正の方が適していることもあります。

大人が歯列矯正をやるのはやめたほうがいい?

石先生
石先生

大人ならではのリスクもありますが、一方で歯列矯正をやるメリットもあるので、それぞれを把握した上で「自分に歯列矯正が必要か?」を判断してみてください。

まずメリットとして、噛み合わせの改善を目指せることが挙げられます。

歯の位置が整えられることで、噛み合わせの問題がなくなり、左右の歯でしっかりと咀嚼することが可能となります。消化器官への負担が軽減されるだけでなく、特定の歯への過度な圧力がなくなり、歯ぎしりが減少することもあります。

次に、虫歯や歯周病のリスクが低下することも大きなメリットのひとつです。

歯列が整うことで、歯磨きやフロッシングが容易になり、食べ物が歯間に詰まりにくくなります。詰まった場合も磨きやすくなるため、容易に取り除けて口臭の改善も期待できます。

さらに、患者の心理的なストレスが軽減されるメリットもあります。歯並びのコンプレックスから解放され、自信を持って自然に笑えるようになります。

ポジティブな思考や積極性を向上させる効果も期待できます。

歯列矯正で「ブサイクになった」「美人になった」という人もいる?原因と失敗しないための対策は?

石先生
石先生

治療が失敗して老け顔になってしまった場合などが、一例として考えられます。

口元の位置を調整する際の矯正治療では、前歯の突出度、つまり口元の出っ張り度合いが重要となります。失敗を減らすために、自身の口元を「eライン」という基準に照らして確認してみるといいでしょう。

出っ歯や口元が突き出している場合、顎自体が前に出ている、歯が前方に突き出ている、唇が厚いなどが原因として考えられます。それぞれの原因に応じて、歯列矯正で歯をどのように動かすかが変わるのです。

歯が前方に突き出ているからと言って、単純にそれを後方に動かすだけで良いわけではありません。

前歯を過度に後ろに動かすと、口唇も極端に下がってしまい、結果として口元が老けて見える顔立ちになってしまう可能性があります。

ホワイトニングをして後悔する人もいる?原因と対策は?

石先生
石先生

ホワイトニング薬剤の塗布により、歯の表面に存在する「ペリクル」という膜が一時的に剥がれ落ちたり、過酸化水素やライトの影響で、歯の水分バランスが崩れることがあります。

水分バランスの不均衡が、歯が敏感になる(知覚過敏を引き起こす)原因となります。

水分バランスの回復は唾液の質によりますが、約24時間で90%ほど改善するとされています。しみる感覚もこの回復に伴って減少しますので、しみやすい食べ物や飲み物を避けたり、口内が乾燥しないように注意することが重要です。

さらに歯ぎしりなどの癖や、歯の表面が削れていることによりダメージが生じている場合、「象牙質」と呼ばれる痛みを感じる部分に薬剤の刺激が伝わり、知覚過敏を引き起こすこともあります。

ホワイトニングのメリット・デメリットとは?

石先生
石先生

メリットとしては、歯を白くするために歯を削る必要がないこと、自然な色以上に歯を白くすることも可能であること、顔全体が明るくなって笑顔がさらに魅力的になることなどが挙げられます。

一方でデメリットには、理想の白さに達するまでには複数回の施術が必要になること、ホワイトニングの効果が天然の歯に限定されて人工の歯には適用できないこと、施術後に色が元に戻ってしまう可能性があることなどがあります。

ホワイトニング治療は、実際のところ効果ある?

石先生
石先生

スクリーンや雑誌上で頻繁に、口元がクローズアップされる俳優やモデル・タレントなどは、特に歯が白く見えるホワイトニング方法を選びがちです。その歯の白さは一般的にはとても鮮やかで、見る者の目を引くものです。

通常のオフィスホワイトニングを効果的に活用することで、芸能人のような洗練された白さを追求することは十分に実現可能です。

しかし、特に白く目立つ方々の多くは、「ラミネートベニア」と呼ばれる手法を採用しています。

元の歯を一部削り、その上に白いカバーを施す方法で、通常のオフィスホワイトニングとは全く異なるアプローチです。人工的な白い覆いにより、自然界で見られる白さを超越した鮮やかさを、歯に与えることが可能になります。

マウスピース矯正のメリット・デメリットは?

石先生
石先生

マウスピース矯正の特徴は、見た目の透明性と薄さから治療中であることを他人に気付かれにくいことです。高い透明度をもつプラスチック製のマウスピースによるもので、歯並びを整えつつも、見た目を損なうことなく笑顔を保てるようになります。

さらにマウスピースは取り外し可能なため、結婚式や写真撮影などの重要なイベントでは、装置を外すことも可能です。イベントが終わったら再度装着すればいいので、自信をもって思い切り笑えます。

また、食事の際も取り外し可能なマウスピースのおかげで、ワイヤー矯正で困る食物の詰まりを心配する必要はありません。固い食べ物を気兼ねなく楽しむことができ、食事の制限が一切ないので、友人や大切な人との外食も思う存分堪能できます。

さらに、取り外し可能なマウスピースは、口腔内の清掃を容易にし、歯みがきの時間をいつも通りに保てます。口腔内を清潔に保てるので、虫歯・歯周病などのリスクを減らし、口内炎の発生もワイヤー矯正に比べて少なくなります。

さらにマウスピース矯正では、従来のワイヤー矯正でよくある装置の脱落という問題がありません。使用するのがプラスチック製のマウスピースなため、「ブラケットが外れる」「ワイヤーが粘膜に刺さる」などのトラブルは発生しないからです。

マウスピースは歯や歯茎をしっかりと覆う装置なので、自分で取り外さない限り、脱落する心配もなく、矯正治療をストレスフリーなものにできます。

マウスピース矯正の治療期間はどのくらい?

石先生
石先生

マウスピース矯正の治療期間は、2ヶ月から3年と範囲が幅広いです。理由として2つの治療タイプがあり、それぞれ適用範囲が異なることが挙げられます。

ひとつは、従来のワイヤー矯正と同じように、奥歯を含む全ての歯を動かす全体的な治療を行うタイプ。

もうひとつは抜歯を避けることを重視し、主に見た目に直接影響する、上下の前歯12本を中心に行う治療タイプです。

マウスピース矯正は本当に効果ある?

石先生
石先生

マウスピース矯正の認知度がまだ十分でないため、効果について疑問を抱く人もいるでしょう。

しかし、結論から申し上げますと、マウスピース矯正は十分な効果を発揮することも期待できる治療法といえます。

ワイヤーを用いた「ワイヤー矯正」が、歯列矯正治療の一般的な手法として知られていますが、効果と治療期間についてはマウスピース矯正も同様で、有効性には問題がないとされています。

マウスピース矯正は痛い?

石先生
石先生

「痛みの少ない歯科矯正」として話題のマウスピース矯正でも、痛みを伴うことはあります。その理由は、歯が移動するには一定の力が必要となるからで、ワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも同じ原理が働きます。

一方で、マウスピース矯正の特徴として、歯科医師がコンピュータを使って詳細な治療計画を立てることで、必要な力を最低限にとどめつつ、効果的に歯を動かせる点があります。

シミュレーションによって、現在の歯並びから目指す歯並びまでの歯の移動を視覚化し、無理なく歯を動かせるように計画可能です。

さらに、マウスピース矯正は装置が取り外し可能なため、痛みの管理がしやすいというメリットがあります。しかし、痛みを最小限に抑える設計とはいえ、口腔内に力がかかることで、痛みを感じる場合もあることを理解しておくことが大切です。

LCM(Low Cost Mouthpiece)とも呼ばれる安いマウスピース矯正はおすすめしない?

石先生
石先生

「低価格だと治療の質は大丈夫なのか?」と不安に思う人もいるかもしれません。低価格のマウスピース矯正は、次の2点で低コストの治療を実現しています。

1.人件費の削減:
最新の3Dプリンター・CAD(コンピュータ支援設計)の活用が一役買っており、マウスピースの設計と制作が自動化され、手作業によるコストが大幅に減少します。
さらに、マウスピース矯正は医師が装置の取り付けや調整を行う必要がないため、歯科医師の手間を節約し、コスト削減に繋がります。

2.中間コストの軽減:
一般的な歯科医院でのマウスピース矯正では、治療者はデータ収集からマウスピースの制作に至るまでを外部の製造業者に依頼していたため、患者にとっては追加の費用が発生し、治療費が高額になりがちでした。

しかし、低価格のマウスピース矯正では、製造元自体が歯のスキャニングからマウスピースの制作、そして治療期間中のサポートまで一貫して提供しています。結果、中間マージンが取り除かれ、患者の負担は軽減されます。

「歯列矯正をやらなきゃよかった……。」と後悔する人もいる?原因は何?

石先生
石先生

長い治療期間は、矯正治療を後悔する要因となり得ます。一般的には2年から3年程度の治療が必要で、症状によってはさらに長くなることもあります。

また矯正装置は、基本的に常時装着する必要がある点も忘れてはいけません。一部の装置は取り外しが可能ですが、食事や清掃の時間など特定のタイミングに限られています。

さらに、治療期間中は定期的にクリニックに通う必要があります。しかし、仕事や他の生活の都合により、思うように通院できず、結果的に治療期間が伸びてしまうことも珍しくありません。

上記の事情により、治療期間が長引くことや常時装置を装着することにストレスを感じ、後悔する人も一定数います。

歯の矯正(歯列矯正)の費用・値段の相場はいくら?

石先生
石先生

最初の診察やカウンセリングには、無料から5,000円程度がかかることが多いです。

続く精密な検査や診断には、3万円から5万円程度が必要とされます。

その後、矯正装置の装着費用として、60万円から100万円程度の支払いが見込まれます。

定期的な調整については、1回あたり3,000円から6,000円程度が必要になります。

※金額は税込

歯の治療(ホワイトニング・歯列矯正など)の費用は保険適用あり?医療費控除の適用外?

石先生
石先生

ダウン症候群、唇顎口蓋裂、筋ジストロフィーの患者など、特定の疾患をもつ人は歯列矯正が必要とされて(保険診療と判断されて)、適用となる場合もあります。

また、その他の疾患によって歯列矯正が必要と認められる場合も、保険適用の対象となるかたちです。

マウスピース矯正ができない例とは?

石先生
石先生

骨格性の異常が原因となっている場合、マウスピース矯正だけでは歯並びを整えられないかもしれません。例えば重度の上顎前突(出っ歯)、下顎前突(受け口)、過蓋咬合(オーバーバイト)などが該当します。

上記症例では、外科手術が必要となることがあります。外科手術が必要とされる患者は、マウスピース矯正が適用できない可能性があると覚えておきましょう。

「出っ歯」「八重歯」「口ゴボ(くちごぼ)」は、マウスピース矯正で治せる?

石先生
石先生

もし骨格的な問題が原因である場合、マウスピースを用いた矯正は適用できないかもしれません。

歯列矯正が必要ない人・した方がいい人とは?

石先生
石先生

以下の項目に当てはまる人は、歯列矯正の必要性が低いと考えられます。

  • 歯並びの外観に不満がない
  • 歯が均一に並んでいる
  • 歯が互いに干渉していない
  • 歯が直線的に生えている
  • 虫歯や歯周病の問題が存在しない

一方、以下のような状況の人は、歯列矯正を考慮すべきかもしれません。

  • 歯並びが過度に気になる
  • 虫歯や歯周病への恐怖感がある
  • 咬み合わせの問題が日常生活に影響を及ぼしている
  • 頭痛や肩こりに苦しんでいる

ホワイトニングの仕組みとは?どのような種類がある?

石先生
石先生

・オフィスホワイトニング:歯科医師や歯科衛生士が、歯科医院で治療を行う方法です。歯の専門家が直接施術を行うため、最も効果的とされています。

・ホームホワイトニング:歯科クリニックで処方された「ホワイトニングジェル」と「専用のマウスピース」を自宅で使用し、自分の都合に合わせてホワイトニングを行う方法です。

・セルフホワイトニング:自宅や美容サロンなどの医療機関以外の場所で行う方法で、手入れは自分自身で行います。オフィスホワイトニングよりも、手頃な価格で行うことが可能です。

・デュアルホワイトニング:治療時に「オフィスホワイトニング」と「ホームホワイトニング」をどちらもやる方法で、効果を短期間で実感したり、効果を長持ちさせることが期待できます。